DEPDCとは-What is DEPDC?

DEPDC(Development and Education Programme for Daughters and Communities = 娘たちと地域

の開発・教育プロジェクト)は、人身売買などによる強制的な性産業への従事やその他の
搾取的な児童労働から子どもを守る目的で、1989年にタイ北部のメーサイに設立されました。

当時、タイとりわけ北部の農村では、貧しさから売春をさせられる少女たちが増えていました。
DEPDCの代表であるソムポップ氏は、もし彼女たちに教育を受ける機会があれば、売春の道に進むことはないと確信し、
同様に、寄宿舎で生活をさせることで少女たちを人身売買、売春、その他の児童労働から守ることができると考えました。

そこで、ソムポップ氏は、知り合いで同様の志を抱いていた作家の稲垣三千穂さんとThe Daughters Education Program(DEP=娘たちの教育プロジェクト)を立ち上げ、当初は19名の少女たちがここで
学びながら生活をしていました。現在はDEPDCの周辺地域から通っている子どもも含め(男の子も含む)
毎日300名以上の子どもが学んでいます。

DEPDCはなぜメーサイにあるのか-Why is DEPDC in MaeSai?

近年、メコン川流域地域は人身売買が氾濫している地域として世界的に注目されています。
その理由は、メコン川流域地域には少数・山岳民族が多く、そうした人々は正規に国籍や
土地を与えられていないことから社会的に弱い立場にあることがあげられます。人身売買
のブローカー(買い付け人)は現金収入を得なければ生活が営めないこうした人々の弱み
に付け込み、巧みに娘たちを現金に引き換えていくのです。

タイ北部に潜在する人身売買の被害者はタイ国籍の女性や子どものほか、タイに居住して
いるが国籍を持たない少数・山岳民族、そしてビルマ、中国、ラオス等のタイ近隣諸国の
女性や子どもです。彼女たちは自ら仕事や新しい生活を求めてタイへやって来ても、国籍
を持たないという社会的立場から、正当に収入を得ることは難しい状態にあります。その
ため搾取的な労働や性産業へ引きずり込まれやすいのです。

また、国籍を持たない少数・山岳民族の大部分は、教育、医療、仕事(就職)へアクセス
する機会がほとんどありません。さらに彼女たちは一方的な政策の影響で独自の生活、伝
統、価値を急速に破壊されています。現金収入を得るために麻薬の売買に手を出し、さら
に自らも使用するようになり、HIV/AIDSの蔓延で家族やコミュニティが崩壊していくこ
ともあります。

DEPDCでは、このような少数・山岳民族の少女たちやコミュニティを中心に国籍の有無を
問わずメコン川流域で暮らす人々を対象に様々なプロジェクトをおこなっています。タイ
北部の国境の街メーサイに活動の拠点を置くことで、臨機応変に問題に対処することがで
きること考えています。

DEPDCのプロジェクト-DEPDC’s Programs

現在、DEPDCでは、子どもや周辺地域を対象としたプロジェクト以外にも、活動範囲を広
げ様々なプロジェクトを行っています。

教育プロジェクト

  • Daughters Education Programme (DEP)

    設立当初から行われている、少女(1998年から少年も)のための学校教育プロジェクトで
    す。チェンライ県の2地区において最初に中等教育を提供した学校で、売春などへ巻き込
    まれないよう子どもたちのアイデンティティを確立することを促進しています。

  • Half Day School (HDS)

    Half Day Schoolでは周辺地域やビルマからやって来る子どもたちに無料でノンフォーマ
    ル教育を提供しています。子どもたちは午前中にタイ語、算数、社会的スキル、生活スキ
    ルを学び、午後はアクティビティや農作業をします。

  • Mekong Youth Net (MYN)

    メコン川流域地域(タイ・ラオス・ビルマ・中国雲南省・カンボジアなど)から将来地域
    のリーダーとなれる若者を集め、コミュニティ(村など)の中でのリーダーシップのとり
    方や効果的な教育方法などを学びます。彼女たちは人身売買にあった子ども達がコミュニ
    ティに戻った時のサポート、地域のNGOや政府組織とのネットワーク作り、人身売買が起
    こる要因の考察、子どもの人権の啓蒙活動、地域住民と地域の行政機関との媒介などの役割
    を担っています。

  • Community Learning Centre (CLC)

    Community Learning CenterではDEPDCの指導のもと、非登録外国人、移民、タイとビルマ
    の国境付近に住む住民たちのために、パソコンの使い方、人権とは何か、タイ語、英語な
    どの教育を提供しています。このプロジェクトは性産業に巻き込まれる可能性がある若者
    の他、地域の大人たちも対象としています。

  • Mekong Study Centre (MSC) in MaeSai

    Mekong Study CentreではDEPDC周辺の村において、子どもの人権、人身売買、性産業、
    HIV/AIDSなどの様々なイシューについて調査を行っています。その後、この調査結果を
    村に報告し、イシューについて自信たちで考察してもらいます。学生やその他関心のある
    人々を調査者として迎え、さらに情報を求めることもあります。

  • Life Skills (職業訓練)

    DEPやHDSでは子どもたちに様々な職業訓練を行っています。

    • 織物
    • ハンディクラフト
    • 木彫品
    • タイや地域独特の菓子作り
    • 石鹸・ドライフラワー作り
    • 農業
    • 簡単なパソコンの使い方

  • Mekong Regional Indigenous Child Rights Home (MRICRH)

    Mekong Regional Indigenous Child Rights Home は2002年にDEPDCとチェンライ県山岳民族
    開発・福祉センターによって設立された施設です。人身売買や虐待の被害にあった子ども
    や両親が服役中の子ども、孤児など保護しているシェルターの運営の他、子どもの権利の
    啓蒙活動、24時間対応の緊急・相談電話サービスなどを行っています。保護されている子
    どもたちはカウンセリングやリハビリを受け、帰宅の準備が整い次第帰宅します。ここで
    保護されている子どもたちもまたメコン川流域地域出身で、とくに少数・山岳民族出身の
    子どもが多くいます。現在この施設では少女のみを保護しており、少年は同様のシェルタ
    ーを運営しているBorder Child Protection Rights(BCPR)で保護しています。

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